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【本社】グレイスはシャレオツ?

ご来訪くださる方からよく、「グレイスさんはオシャレですね」的な嬉しいお言葉をいただきます。

よく見ると館内はアンティークな家具や雑貨がたくさんあります。

今日はこの理由をお話ししたいと思います。

ズボリ!いや、ズバリ!「施設や老人ホームっぽくしたくなかった」からです。

私自身、「施設」という言葉にとても抵抗感があり(ハッキリ言うと「嫌い」です)、社内でも「施設」という表現はしないようにしております。

「老人ホーム」という言葉も・・・便宜上使用することはありますが、あまり積極的に使うことはありません。

グレイスは「セカンドハウス」のイメージであり、「生活の場」です。先日もブログに綴りましたが、認知症や障がいを抱えても、「能動的に生きる場」だと思っています。なので、私の考える「施設」的な要素は可能な限り排除するようにしております。言葉とは言霊です。会社の標準語を「施設」とするか、「住宅」とするかで運営にとても大きな違いが出てきます。

それはさておき、「環境」は人の「無意識」に影響します。赤い部屋に入ると体温が上がり、青い部屋に入ると下がるのは有名な話です。これは迷信ではなく、科学的に解明できることで、「赤=暖かい=血管が広がる=体温が上がる」というもの。無意識に視覚から取り入れた情報(環境)が身体のバランスに影響しているのです。

※ちなみに日本人は風鈴の音を聞くと涼しく感じ体温が少し下がるが、外国人が聞いても変化はないという実験結果があります。

つまり壁ひとつとっても何もない無機質な壁と、絵画の飾ってある壁とでは、人の無意識に異なる影響を与えているということです。

それがグレイスの壁にたくさんの絵が飾ってある理由の一つであり、車いすからも自然と目に入るように高さを調整しております。さらに防火戸や設備戸など多くの鉄扉にもステッカーを貼って、無機質な冷たさを軽減させています。

アンティーク物が多い理由は、その色合いやフォルムが落ち着いた雰囲気を演出するためです。また流行りのモノではなく、好き嫌いが少ないのが大きなポイントです。長く住まわれる建物ですから、流行り廃れなく、しっくりくるという点が良いです。これが昭和レトロとか、日本物になるとそれがまた主張してきますので、風景に何気に溶け込む西洋物にしております。

それから、壁はきれいに使うことを意識しています。当社では基本的に利用者様の作品は共用部に飾らずお部屋に飾ります。壁に飾る場合も期間を決めての掲示とし、いつまでも飾らないようにしています。また入居者様がフロアに降りてくるときは、パジャマは原則不可。きちんと服に着替えて降りてくるようにしています。そうして在宅に居る時のように、プライベートとパブリックを分け、社交性の維持を図っています。

事務所もいわゆる「事務デスク」を置かず(※長居公園は前事業所のリース契約を引き継いでいるため、一部残っています)、白と黄緑を基調とした配色にしております。これは出勤してきたスタッフが爽やかな気持ちになるように、また勤務を終えたスタッフの疲れを癒せるようにです。もちろんご来訪いただいた方に清潔感を持っていただくためでもあります。

他にも”仕掛け”が色々あるのですが、このように何気ないところに心理学的なアプローチをしていたり、何よりお住まいになられる方と、そのご家族、そしてケアするスタッフが、「あ、ここ何かええな」と”無意識に”感じていただけたらと、ああでもない、こうでもないと考えております。それが当社の企業理念でもある「おもてなし」にも通じるのです。

※「おもてなし」は、某クリステルさんが言う前に掲げており、ウチの方が先です。パクってません(-ω-)/ 実は「千利休」さんの茶の心得がベースとなっています。